法隆寺の建造物について、ガイド研修会
本日は法隆寺の建築に的をしぼっての現地研修会。
法隆寺といえばこの方、いつもお世話になっております岡村真門さんが講師です。
9時半から、iセンターで真門先生の簡単な講義。
真門さんが実地に歩いて検証したという、法隆寺の建物のそれぞれの建築年代がわかる詳しい図表、建物の特徴が一目でわかる写真と解説のついた資料をいただきました(永久保存!)。
これさえあれば百人力、いざ、法隆寺の実地学習にしゅっぱ~つ!!
法隆寺の中門の柱。
私が子供の時学校で、法隆寺の柱の真ん中が膨らんでいるのはエンタシスといって、古代ギリシアの影響だと習いました。けれど現在では、ギリシアと法隆寺とは関係がなかったことが分かっているということでした。
知らなかった!
それに柱の中に、一本だけ新しい柱があります・・・って。
これも知らなかった! こんど法隆寺へ行かれる人は、探してみてください。わかるかな?
金堂の妻の部分に注目!(建物の特徴は妻の部分からよく見ることができます。)
屋根の下の壁面に斜めの材木が見えます。叉首(さす)と言います。ふつうは真っすぐなのに、金堂の叉首(さす)は曲線になっているのも特徴。
それに叉首(さす)の下に窓がある!
いままで何回この建物をみたかも知れないのに、全く気がつきませんでした。
回廊の上に渡されたカーヴのかかった梁(はり)の並びがずーっと見通せます。虹のように曲線がかかっているので虹梁(こうりょう)と言います。
虹梁(こうりょう)の上に、さっき金堂のところで学習したばかりの斜めの叉首(さす)がのっています。
お、ちょっとわかるようになった、うれしいな。
虹梁(こうりょう)がわかったところで、食堂(じきどう)の妻の壁に見える二重の虹梁(こうりょう)です。
なお、鬼がわらの下方、屋根の合わせ目のところにぶら下がっている飾りは懸魚(げぎょ)といって、棟木(むなぎ)の端をかくす役目をしています。
これは猪目(いのめ)と呼ぶハート形(!)の穴をくりぬいた猪目(いのめ)懸魚(げぎょ)です。
他にも蕪(かぶら)形や花形などいろいろな形の懸魚(げぎょ)があって、これを見て歩くだけでも楽しいです。
最後に、夢殿まで行って、八角形の建物の構造を学びました。
午前中の短い時間でしたが、中身のぎっしりつまった研修でした。
法隆寺は本当に、どこをとっても何度行っても、学びつくせず語りつくせない事物の宝庫です。
すばらしいガイドをしてくださった真門さん、ありがとうございました。
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