平成28年ガイド研修講座
平成28年度のガイド研修会を次の日程で行いました。
5月8日(日) 「天理軽便鉄道の歴史」 橋本紀美先生
6月5日(日) 「安堵氏と窪田氏」 吉田栄治郎先生
7月3日(日) 「近世大和の農村に残った大和武士の末裔」 同
7月24日(日) 「杵築神社と馬場塚」 稲熊眞彦氏(杵築神社宮司)
今年は、全ての講座を日曜日に開催、現役世代の方も居られ多くの参加者で盛況でした。
1.天理軽便鉄道の歴史
今年は 「天理軽便鉄道 --開業100年--」で、歴史民俗資料館の特別展示も「天理軽便鉄道」、展示品の貴重な写真や鉄道資料の解説を、いつものように橋本先生に伺いました。
天理軽便鉄道の開業は大正4年で、西暦では1915年、ということは開業100年は去年だったんですが、安堵駅が開設されたのが大正5年で、正確にいうと今年は安堵駅開業100年なんですね。そのこともあってか、安堵の駅の駅前商店街の略地図が資料にありました。
図がそれで安堵駅は町役場近くの交番の東側にあったそうです。お店が沢山あったんですね。飽波神社向かいのタバコ屋さんとその前の理髪店は今もありますね。駅前通りは聖徳太子の太子道、法隆寺-平端の道は近世の歴史街道「布留街道」、ここは古代から続いている安堵の表参道だったんです。
2、安堵氏と窪田氏
3、近世大和農村に残った大和武士の末裔
うれしいことに歴史ブームで、おまけにお城ブームで姫路城や熊本城や石垣しか残っていない竹田城は誰でも知っているんですが、安堵城や窪田城は安堵の人でも歴史の好きな人以外はあまり知られない。
今回のテーマは、東安堵の富本憲吉の生家の富本家(中世の安堵氏)、と窪田の中家(中世の窪田氏)、それぞれの家に伝わる古文書から、大和川のほとりの小さな村に起こった遠い時代の物語を読み解いて、教えてもらえる吉田先生の講座は、あまりにも創作になりすぎた大河ドラマよりはるかに面白い。緻密な古文書の検証が歴史の醍醐味、それが先生の人気の秘密なんでしょう。来年もまた期待しましょうか。
4.杵築神社と馬場塚
梅雨が明け、夏本番の日曜日、中窪田の杵築神社に集まりました。本日の講師は宮司の稲熊さんで、神社の由来と歴史がテーマ。杵築神社の祭神のスサノオミコトは、「スサブル」と言う言葉からきている神様で、「荒々しいアラブル神様」。その神様の力を借りて、古代の人は荒らぶる川の氾濫を治めようとしたのです。
そして、大和川も昔も今もあばれ川、この窪田大宮の神様もまたアラブル大和川を治めるためにここに居られるとか。昭和35年の大和川の流路変更の時も、窪田の人々とともに、神様もまたここに移ってこられたのでしょう……。
そのあと、新しく綺麗に朱に塗られた本殿に玉串を奉納して、今年の夏の健康を祈願しました。だから、うれしいことにこの夏は元気に過ごせそうです。
この杵築神社の本殿は、江戸時代に春日若宮の本殿を拝領したもの。奈良に現存する若宮社の拝領神殿の中でも、最も古いものです。
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