中家住宅のガイド
11月8日(金)、国の重要文化財中家の見学に来られた京西公民館の皆さんをご案内しました。
中家住宅の前で、濠に囲まれた外観を見ます。
「集落が濠に囲まれているのはよくあるけど、一軒の屋敷で環濠というのは珍しいな。」との声がさっそく聞かれました。
濠に架かった板橋(敵襲に備えて取り外しできる)を渡って、住宅内へ。
門屋を入ると、大和棟と美しい白壁の屋敷が目に入ります。
この眺めは日本の民家シリーズの切手にもなっています。
家の中には広々とした土間に、11個もの焚口をもつかまどが据えられています。
座敷へ上がって、中家に代々伝えられてきた梅干しを見ます。
戦国時代、貴重な塩を梅干しにして残しておくようにと言い伝えられ、大切に保存されてきたものです。
写真、向かって左は240年前、右は430年前の梅干しです。
見学者: 「テレビで見たことがあるわ。」
中さん: 「240年前の梅干しは、何度かテレビにも出ました。
その時、タレントさんが食べてみられたこともありますよ。」
430年前の梅干し
たぶん、現存する日本で一番古いまだ食べられる加工食品でしょう!
ほかに、「シソと一緒に漬けてあるのですか?」という女性からの質問。
中さん、「いいえ、塩と梅だけです」。
さらに奥に行くと戸棚風呂という蒸し風呂があります。
主に役人や賓客の接待用で、個人の家でこのような蒸し風呂が残っているのは非常に珍しいということです。
暗くて良く見えなかったひとのために、お風呂の中をアップでどうぞ。
さらに賓客接待用の座敷へ。
正面に向かって畳が平行に敷かれているのが見えます。
お目見えする者の身分によって、畳の何列目まで賓客に近づけるかが決まっていたそうです。
わかりやすいっ!
賓客用の襖には、見事なツル(三種類)の群れが描かれています。
絵の他にも、上座から眺めれば左手に落ち着いた日本庭園、右手には鴬張りの廊下と船着き場があります。
当時の人にとっては、たぶん豪華ホテルのスイートルームみたいなものだったのでしょうか。
贅沢ですね。
さて屋敷の内堀を渡って、持仏堂(華蔵院)へ。
個人の屋敷の内に持仏堂まであるというのは、当時の中氏の勢力の大きさを物語っています。
内堀の外側を囲う竹林の中を通ります。
森林浴のような癒しの空間です。
毎年、安堵小学校の生徒がここで「タケノコ掘り」の体験学習をします。
掘ったタケノコを先ほど見たかまどで炊いて、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングをかけて試食するという話をしました。
「えっ、ケチャップ?」
「そうなんです、案外おいしいですよ。」などと、話がはずみました。
内堀にかかる橋を渡って屋敷へと戻ります。
ここで皆さんは昼食をとられましたが、私たちはここでガイド終了。
中家住宅は本当に見どころいっぱい、ここに載せきれないものがいっぱいです。
ぜひまたゆっくり見学に来ていただきたいと思っています。
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重要文化財中家住宅の見学要項
見学には予約が必要です。TEL:0743-57-2284
開館時間:午前10時~午後5時
無休ですが、都合により開館できない日もありますので事前にお問い合わせください。
入館料金:中家住宅維持管理協力金として一人500円(団体割引有)
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